インプラントの基礎知識
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インプラントの基礎知識
インプラントって何?
インプラントは「第3の歯」と呼ばれています。乳歯が「第1の歯」、乳歯の代わりに生えてくる永久歯が「第2の歯」、そして永久歯が無くなった後を補う歯としてインプラントが「第3の歯」と言われています。
インプラントとは、天然歯根の代用となる「純チタン製」の人工歯根のことです。インプラント本体は外科手術によって顎の骨に埋め込み、平均6~18週間の治癒期間を経て骨としっかりくっつきます。
その後歯を支える土台をインプラントに取り付け、歯を作ります。インプラントは、入れ歯やブリッジが必要な全ての方に有効で、16歳以上であれば特に年齢制限はありません。インプラントができるかどうかは顎の骨の状態(骨の量、質)が重要です。
インプラントは、失われた天然歯の修復物として、人工歯をしっかりと支える人工歯根の機能を果たします。この治療法は科学的に裏付けされ、歯科分野だけではなく、医療分野で数十年に渡り多くの成功を収めています。
当クリニックで使用するインプラント
●ストローマン社は、スイスのバーゼルを本拠地とし、スイスの精密な技術と徹底した品質管理のもとに製品は作られています。(精密性・安全性)
●ストローマン社は、60カ国以上の国々で展開され、世界で500万人以上の患者さんがストローマンインプラントによる治療を受けています。(どの地域でもアフターサービスを受けられる安心感)
●ストローマンインプラントは、非営利学術組織であるITIとのパートナーシップにより、50年以上にわたる研究・調査に支えられ、学術的に裏付けのある製品を提供しています。(安全性・信頼性)
インプラントと従来の治療法の違い
従来歯を失った後は、固定式のブリッジか取り外し式の部分入歯・総入歯のどちらかの方法で治していました。
ブリッジとは?
失った歯の両隣の歯を削り、その間に抜けた歯の代替歯と両側の歯の被せ物がつながった物を橋を渡すように接着剤で接着します。固定式なので自分の歯のように噛める点、違和感が少ない点がメリットですが、両隣の歯を削らなければいけないのが最大の欠点です。
メリット
- 入れ歯より良く噛める。
- 取り外さなくていい(固定式)。
- 比較的早く終わる。
- 保険で治療できる。
- 違和感は比較的少ない。
デメリット
- 周りの健康な歯を削る。
- 歯の神経を取る場合がある。
- 削った歯が弱りやすい。
- 歯磨きが難しくなる。
- 再治療の時、全部外す必要がある。
入れ歯とは?
合成樹脂の土台を歯ぐきにのせ欠損部を補い、部分入歯の場合は歯に金属製のバネを掛けます。歯を削ることはほとんどありませんが、取り外し式なので食後に必ずはずして清掃しなければいけませんし、噛む力は歯の10分の1~20分の1くらいになります。また、口の中に異物が入るので違和感が大きいのが最大の欠点です。
総入れ歯のメリット
- 比較的早く作れる。
- 保険で治療できる。
- 保険のものは安価。
- 取り外して洗える。
総入れ歯のデメリット
- 上顎を覆う為、違和感が強い。
- 発音がしにくい。
- 味や温度がわかりにくい。
- はずれやすい。
- 間に物が挟まると痛い。
部分入れ歯のメリット
- 比較的早く作れる。
- 保険で作れる。
- 取り外して洗える。
- 入れていると歯並びを維持できる。
部分入れ歯のデメリット
- 他の治療と比べて違和感が強い。
- 発音がしにくい。
- バネ(金属)が見える。
- 間に物が挟まると痛い。
- バネをかけている歯が弱りやすい。
インプラントとは?
骨の中にチタン製の人工歯根を埋め、その上に冠を装着します。審美性は高く、違和感はほとんどありません。周りの歯にやさしい治療です。
健康な歯を削ることなく、インプラントをいれたり、入歯をインプラントに固定してしっかり噛めるようにします。
健康な歯を削ることなく、インプラントをいれたり、入歯をインプラントに固定してしっかり噛めるようにします。
インプラントと従来の治療法の違い
最新かつ安全なインプラント治療ですが、やはりメリット・デメリットがあります。
インプラントのメリット
1.違和感が少ない。
2.インプラントと人工歯がしっかり固定できるので、通常のような入れ歯のズレや痛みがない。
3.自分の歯とほとんど同じ感覚で噛むことができる。
4.健全な歯を削ることなく治療できる。
5.自然な外観や表情を取り戻すことができる。
6.噛む機能が回復することで食べ物の制限が無くなり、バランスの良い食事が楽しめる。
7.歯を失った部分の骨が無くなるのを防ぐ(顎の骨の萎縮を防ぐ)。
インプラントのデメリット
1.インプラントを埋める手術が必要である。
2.自費診療になる(費用がかかる)。
3.治療期間が長くなる。
4.手術が必要な為、全身疾患がある人はできない場合がある。
5.顎の骨があまりない場合は治療が難しくなり、高度な技術が必要になる。場合によってはできない場合がある。
6.インプラントは骨と強固に結合する為、簡単には除去できない。(後戻りは難しい。)
7.保障期間後に人工歯(冠・入れ歯)を再製する場合、費用がかかる。(人工歯は消耗品と考えてください。)
インプラントの有効なケース
1. 歯を1本失った場合
インプラントを1本埋め込みます。ブリッジの場合は両隣の歯を削る必要がありますが、インプラントは周りの歯はそのままで、欠損した所にインプラントを埋め込むだけです。
2. 奥歯を多数失った場合
従来は取り外し式の入歯で治療していましたが、インプラントなら数本埋め込むことで固定式の人工歯を入れることが可能です。
3. 歯が全く無い場合
従来は総入歯で治療していましたが、インプラントなら数本埋め込むことで入歯をしっかり固定したり、より多くのインプラントの埋入が可能であれば固定式の人工歯を入れたりすることができます。
インプラントが難しいケース
次に挙げるような場合は、インプラントを行うのに注意が必要です。
1. 糖尿病のある場合
糖尿病が進行すると体の抵抗力が落ちてしまい、歯周病になり易くなります。インプラント治療をしても骨とくっつかない事が多く、骨とくっついたとしても歯周病のようにインプラントの周りの骨が溶けてしまうこともあります。ただし、糖尿病の治療をして血糖値のコントロールがしっかりできていればインプラント治療は可能です。
2. 肝・腎臓病のある場合
肝臓、腎臓に病気があると免疫力が低下して傷が治りにくく、骨とくっつかない事が多くなります。また、人工透析を受けている場合、血の流れを良くする薬を飲んでいるので止血できません。このような場合は、外科的処置が必要でないブリッジや入歯となります。
3. 喫煙されている場合
タバコを吸うとニコチンの作用により、歯ぐきや骨の血流が悪くなり血管内に老廃物がたまる為、傷の治りが悪く、骨とくっつかない事が多くなります。インプラント治療の前4週間、術後8週間の禁煙をすれば、インプラント治療は可能です。ただし、当院では術後も禁煙を続けることをおすすめします。
4. 歯周病がある場合
歯周病のある方は、最初に歯周病の治療を徹底しておこなってからインプラント治療をおこないます。ただし、歯周病は再発しやすい病気なので、治療後の定期検診をこまめにすることが重要です。
インプラント治療の流れ
1. カウンセリング
診査に入る前に
1. 現在の口腔内の状態について
2. インプラントと他の治療法との比較について
3. 簡単な治療の流れ、治療期間、大まかな治療費用について
などの説明をします。
2. インプラント診査
インプラントを埋めるのに必要な資料(口腔内診査、口腔内模型の作製、診断用ステントの作製、CT撮影など)を採得します。
3.診断
診査資料をもとに治療計画(インプラントの種類、埋入本数、方向、深度、術式など)を立てていきます。場合によっては、GBR(骨造成)や歯肉移植などが必要になります。
4. 診断結果の説明
診断結果について説明します。
5. インプラントの埋入手術
浸潤麻酔下でインプラントの埋入手術を行います。歯ぐきを切開しドリリング(骨に穴を開ける)後、インプラントを埋入し歯ぐきを縫合します。インプラントの埋入方法によって1回法と2回法があります。
6. 上部構造(人工歯)の作製
患者様専用のトレー(個人トレー)を作って型取りをし、上部構造を作製します。
7. 上部構造の装着
口腔内で色、噛み合わせ、適合などを確認後、上部構造を装着します。
8. メンテナンス(定期検診)
インプラントを長持ちさせるためには、定期検診(清掃状態、歯ぐきや骨の状態、噛み合わせなど)が大切です。当院では3ヶ月毎の定期検診を行っています。
インプラントを長持ちさせるには?
インプラントの上に人工歯が入り、インプラント治療が終わりました。それからが問題です。インプラントを長持ちさせるためにはどうすればいいのでしょうか。最も重要なのは毎日のハミガキです。口の中が汚れていると、インプラントの周りの骨が溶けてしまいます。「食べたらすぐ磨く」を心がけ、正しい方法でハミガキをしましょう。当たり前の事ですが、インプラントには神経がありません。ですから骨が溶け始めても自覚症状はありません。グラグラしてきたり、膿が出てきたりしてからではもう手遅れです。治療終了後は、必ず定期検診を受けましょう。定期検診では、インプラントの状態、歯ぐきの状態、噛み合せなどのチェックと歯科衛生士によるお口のお手入れをおこないます。
*当医院では3ヵ月ごとの定期検診をお勧めしています。